3Dプリンターの人気モデル「Ender 3 S1」と、その上位機種「Ender 3 S1 Pro」。どちらを購入すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、Ender 3 S1 Proと通常版の違いをスペックや機能の面から徹底比較し、それぞれの特徴を詳しく解説します。
まずは基本的な仕様から見ていきましょう。
Ender 3 S1 Proと通常版の基本スペック比較
主要スペックの違い
モデル | Ender 3 S1 | Ender 3 S1 Pro |
---|---|---|
ビルドサイズ | 220×220×270mm | 220×220×270mm |
エクストルーダー | スプライトダイレクトドライブ | スプライトダイレクトドライブ(全金属製) |
ノズル温度 | 最大260℃ | 最大300℃ |
ヒートベッド | PCスプリング鋼板 | PEIコーティングスプリング鋼板 |
タッチスクリーン | 4.3インチ(ノブ操作) | 4.3インチ(タッチ対応) |
エクストルーダーの違い
Ender 3 S1はスプライトダイレクトドライブエクストルーダーを搭載しており、PLAやTPUなどの一般的なフィラメントに対応しています。
一方、Ender 3 S1 Proでは全金属製エクストルーダーを採用しており、より高温が必要なナイロンやカーボンファイバー入りフィラメントにも対応できます。
ノズル温度の違い
Ender 3 S1のノズルは最大260℃ですが、Proモデルでは最大300℃まで加熱可能です。
このため、Proは耐熱性の高いフィラメントを使用でき、より幅広い材料での造形が可能になります。
ヒートベッドの違い
通常版はPCスプリング鋼板を採用していますが、ProはPEIコーティングが施されたスプリング鋼板を使用しています。
このPEIコーティングにより、フィラメントの密着性が向上し、造形物が剥がれにくくなります。
タッチスクリーンの違い
通常版のEnder 3 S1はノブ操作の4.3インチスクリーンですが、Proモデルではタッチ対応の4.3インチスクリーンに変更されています。
これにより、より直感的に操作できるようになっています。
まとめ
ここまで、Ender 3 S1とEnder 3 S1 Proの基本スペックの違いを紹介しました。
- Proモデルはノズル温度が300℃まで対応し、より多くのフィラメントが使える
- エクストルーダーが全金属製になり、耐久性と耐熱性が向上
- ヒートベッドがPEIコーティングされ、造形物の密着性がアップ
- タッチスクリーンで操作性が向上
印刷精度と性能の違い
3Dプリンターを選ぶ際に重要なポイントのひとつが印刷精度です。
Ender 3 S1とEnder 3 S1 Proでは、どのような違いがあるのでしょうか?
ここでは、積層精度や高速印刷時の仕上がり、対応フィラメントなどの観点から比較していきます。
積層精度とプリント品質の違い
Ender 3 S1とS1 Proはどちらも高精度な3Dプリントが可能ですが、Proモデルの方がより安定した品質を実現しています。
- 両機種とも最大0.1mmの積層精度を持ち、細部まで再現可能
- ProモデルはデュアルZ軸を採用し、より安定した動作を実現
- 高速印刷時の振動を抑えることで、表面の仕上がりが向上
特に、デュアルZ軸の採用による安定性の向上は、Proモデルならではの特長です。
高速印刷時の仕上がりの違い
Ender 3 S1は安定した印刷を実現していますが、S1 Proは高温ノズルと強化されたヒートベッドにより、より高速かつ安定した造形が可能です。
比較項目 | Ender 3 S1 | Ender 3 S1 Pro |
---|---|---|
最大印刷速度 | 150mm/s | 200mm/s |
安定性 | シングルZ軸 | デュアルZ軸 |
ノズル温度 | 最大260℃ | 最大300℃ |
高速で印刷しても、S1 Proの方がより精細なディテールを再現できるため、大型造形やプロジェクトの短縮化にも向いています。
対応フィラメントの違い
Ender 3 S1は一般的なPLA、ABS、TPUに対応していますが、S1 Proはより高温が必要なフィラメントにも対応しています。
- Ender 3 S1対応:PLA、ABS、TPU
- Ender 3 S1 Pro対応:ナイロン、カーボンファイバー、ポリカーボネートなども使用可能
この違いは、全金属エクストルーダーの採用によるものです。
高温フィラメントを扱えることで、より強度や耐熱性に優れたパーツを作成できるのがProの強みです。
まとめ
- S1 ProはデュアルZ軸でより安定した印刷を実現
- 最大印刷速度が200mm/sに向上し、大量生産向き
- 対応フィラメントの幅が広がり、ナイロンやカーボンファイバーも使用可能
操作性と便利な機能の比較
3Dプリンターは、初心者でも簡単に操作できるかどうかが重要なポイントです。
ここでは、Ender 3 S1とEnder 3 S1 Proの操作性や便利な機能を比較していきます。
タッチスクリーンの違い
Ender 3 S1は4.3インチのノブ操作式スクリーンを搭載していますが、Proモデルではタッチスクリーンが採用されています。
比較項目 | Ender 3 S1 | Ender 3 S1 Pro |
---|---|---|
スクリーンサイズ | 4.3インチ(ノブ操作) | 4.3インチ(タッチ対応) |
操作のしやすさ | ノブを回して選択 | 直感的なタッチ操作 |
タッチスクリーンの採用により、S1 Proでは操作のスピードと直感性が向上しています。
特に初心者にとっては、アイコンをタップするだけで設定できるため、より扱いやすくなっています。
自動レベリング機能の違い
Ender 3 S1もProも、どちらもCR-Touchによる自動ベッドレベリングを搭載しています。
この機能により、手動でのベッド調整が不要になり、初心者でも簡単に正確な造形が可能です。
LEDライトの有無
ProモデルにはLEDライトが搭載されており、暗い場所でもプリントの進行状況を確認しやすくなっています。
- Ender 3 S1:LEDライトなし
- Ender 3 S1 Pro:LEDライト搭載
特に夜間に印刷を行う場合や、細かいディテールを確認したい場合に便利な機能です。
価格とコストパフォーマンスの違い
最後に、価格とコストパフォーマンスを比較してみましょう。
モデル | Ender 3 S1 | Ender 3 S1 Pro |
---|---|---|
価格(目安) | 約45,000円~55,000円 | 約60,000円~70,000円 |
主な強化ポイント | 基本的な3Dプリント機能を搭載 | 高温ノズル、タッチスクリーン、LEDライト |
価格差は1万円~2万円ほどですが、Proモデルの機能向上を考えるとコストパフォーマンスは高いと言えます。
どちらがオススメ?選び方のポイント
初心者向けにはどちらが適している?
初心者の場合、どちらも自動レベリング機能を搭載しているため、比較的扱いやすいです。
ただし、タッチスクリーンの操作性やLEDライトの便利さを考えると、S1 Proの方がより直感的で使いやすいでしょう。
上級者やビジネス用途なら?
高温フィラメントやカーボンファイバー素材を使用する予定があるなら、S1 Proが適しています。
また、高速印刷や長時間稼働を考えているなら、デュアルZ軸のS1 Proの方が安定して運用できます。
まとめ
- 初心者にはS1 Proがオススメ(タッチスクリーン、LEDライトで操作しやすい)
- 上級者や特殊フィラメントを使うならS1 Pro(高温ノズル、デュアルZ軸で高精度)
- コストを抑えたいならS1(基本機能はしっかり搭載)
どちらのモデルもそれぞれの良さがありますが、用途に応じた選び方をすることで、最適な3Dプリンターを手に入れることができます。
本記事があなたの3Dプリンター選びの参考になれば幸いです!
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